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かめれおんの日記

どこにいくにも、なにをするにも、まわりが気になってしかたありません。電車で本を読んでいても、ほら、面白そうな人が乗り込んできた。おやおや、あそこではなにを話しているのだろう。なんてことない日常をありのままに見つめる。

「どうぞ」

かなりお年を召されて、つえをついたマダムがひとり、またひとり乗ってきた。

車内を見渡してみるも満席でどこにも腰かける場所がなかった。そのお二人は文句を言うこともなくお互いを見つめ合うようにドアの手すりにつかまっていた。

もし私が座っていたら席を譲って差し上げられたが、あいにく私も立っていたので誰か譲ってあげる人はいないのかな、と思っていた。

そこに小学校高学年くらいと思わしき女の子が、「すぐに降りるので、どうぞ」と右側の手すりにつかまったマダムに声をかけた。マダムは喜ぶも「ありがとう。でも、あの方にお譲りしてさしあげて」。そこで再び、女の子はもうひとりのマダムに声をかけるものの、「次の駅で降りるから大丈夫よ」といって女の子を座らせた。

高齢者同士が席の譲り合いはもはや珍しいものでなくなったが、すこし滑稽に思えてしまう。それだけ元気だということなんだろう。降りるまでの間、「ありがたいですね~、昔はもっとみんな優しかったですよね~」と女の子の優しさに感動していた。譲ってあげようとした女の子は結局自分が席に戻ったことをきまり悪そうな表情をしていたが、間違いなく君の勇気は人を心を動かした。

「譲ってやれよ」などというよりもずっとスマートでかっこいいお手本だ。頭があがらない。

すぐ降りるといっていた女の子はそこから10駅近くあるおばあちゃん家に遊びに行くようだ。